膝の外側の痛み(腸脛靭帯炎)

スポーツをがんばっている方によくみられる膝の痛みです。

腸脛靭帯炎は別名ランナー膝といわれ、その名の通りランナーによくみられる膝の痛みを伴う疾患です。実際には膝の曲げ伸ばしを頻繁に行うスポーツ(マラソン水泳自転車バスケットボールバレーボールなど)をがんばっている方がよく遭遇する怪我です。
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このような症状はありませんか?

  • 走ったり、ジャンプすると膝の外側が痛い。
  • 膝の曲げ伸ばしで引っかかる感じがある。
  • 階段の昇り降りで膝の外側が痛い。
  • スポーツをした後に膝の外側が痛い。

なぜ起こるのか?

腸脛靭帯は太ももの外側から膝の外側に位置しています。
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膝の曲げ伸ばしをするときに太ももの骨のでっぱり部分(大腿骨外側上顆)と靭帯が擦れあいます。
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膝の屈伸が多いスポーツをすると、この摩擦により炎症が起こり痛みを生じます。膝を曲げる角度が20~30°で摩擦が生じるとされています。使いすぎが主な原因となりますが、筋肉が硬く柔軟性が乏しい、過度なX脚、O脚、吸収性能の悪いシューズを履いているなど様々な原因が考えられます

どのように対応するか

ランナー膝は練習量の多いアスリートから市民ランナーまで様々なレベルの方にみられるためそれぞれに合わせた対応が必要です。
全ての方に共通することは、痛みの原因となる炎症を抑えることです。
まず運動後にしっかりアイシングをすることが大切です。また鍼灸治療をすることで患部の血流が良くなり、炎症により作り出される痛みを引き起こす物質(発痛物質)を排出するので効果的です。
炎症の鎮静化と同時に腸脛靭帯に負荷がかかりすぎないよう体のバランスを見直していく必要があります。お尻の筋肉が硬くなっていたり、筋力不足であるケースが多くみられます。脚の負荷が強すぎる場合には練習メニューを見直したり、衝撃吸収性能のよい靴に変えたり検討します。接地が外側荷重になったり、ランニングの動きに悪いクセがついている場合にはインソールで対処する場合もあります。このように原因に合わせてひとり一人にあった対応をしていきます。